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2008年8月17日 (日)

北京オリンピック感想-2

北京オリンピックの感想ばかり書いていると毎日テレビを観ているように誤解されそうだが,実際は1日中テレビに釘付けというわけでもない。それでも,午後からその日の結果が出始めるとついついネットのニュースサイトにアクセスしてしまう。結局,仕事場に来てもほとんど仕事に身が入らない状態だ。8月もあっという間に半分が過ぎ,9月以降のことを考えて少し焦り始めてきた。

少し前,ハンマー投げの室伏が5位に終わったということを知った。予選の78メートルを第1投でクリアした後のインタビューをテレビで観たが,近頃は誰でも言うようになった「オリンピックを楽しみたい」という陳腐な答えを聞いて「こりゃダメだ」と感じていた。

24日終了なのであと1週間残っているが,わたしのなかではもう北京オリンピックは終わった。明日からは仕事に集中できるような気がする。興味ある競技や期待の持てる競技がもう残っていないからだ。

オリンピックのような大舞台で結果を出すための実力とは何か,について少し考えてみた。今回の五輪を観ていて,この(広義の)実力を構成する要素は,1)(狭義の)実力,2)結果(メダル)への執念,3)運,の3つに分解できるのはないかと思った。

1)の(狭義の)実力,とはその狭義の技術やそれに必要とされる身体能力のことで,学校の勉強でいう偏差値のようなものか。例えば日本男子のサッカーなどは,1)が完全に低く,この場合は,どんなにイメージトレーニングしたり監督を変えたりしてもたいした成績は残せないのではないか。今回,反町監督に対する批判もあったようだが,誰が監督になっても無理だろう。陸上競技の100メートルでも日本の塚原が準決勝進出と頑張ったが,あれ以上は今のままでは絶対勝てないはずだ。

それに対して,柔道の鈴木桂治のあっけない負け方などは,2)の不在が一番の理由ではないかという気がする。3)の運不運も多少はあるかもしれないが,(狭義の)柔道の実力という点で今の鈴木選手が劣っているとは思えない。一方,女子48kgの谷亮子選手は,疑問の残る優勢負けではあったが,初戦からの全体的な印象として,やはり1)の実力が劣っていた(衰えていた)気がする。

女子マラソンの野口みずき選手は当然,3)の運に100%見放されたわけだが,彼女本人およびコーチ陣などの金メダルへの執念がもっと合理的な方向に働いていれば,練習の仕方や練習量にもう少しの工夫ができたのではないかと悔やまれる。途中棄権の土佐礼子選手と13位の中村友梨香選手も実力通りの結果だと思う(野口みずきが欠場してから,急に土佐礼子に期待するような報道が増えたが,ヘンだと思った。わたしはむしろ若い中村友梨香のほうがひょっとして5位くらいに行くかもと思っていたがそうはあまくないようだ)。

女子レスリングは(狭義の)実力,結果への執念,運がそれぞれすべて公平に配分され,結局,実力通りの結果が出たという印象だ。48kgの伊調千春選手の準決勝での逆転勝ちはまさに執念と運が呼び寄せた勝利,決勝での負けは(狭義の)実力が低かったからではないか(相手のカナダの選手のほうがはるかに強かった)。浜口京子もアテネと同じ銅メダルで立派だし,あの親子は大好きだが(あの年齢の娘があのような親父に対してあれほどやさしく接しているのはほとんど“奇跡”だと思う),やはり「気合だ」だけではどうしようもない。

結局,金メダルをとった選手は,1)の実力がまず,ずば抜けていることが前提だが,オリンピックのような世界中の実力選手が集まる場では,実力的にほとんど差がない選手が数人(数組)その競技に参加している場合が多い。そうなると,2)の執念と3)の運,に優った選手が結果を残したということで,まあ,当然といえば当然のことかもしれない。人生や仕事の成功も結局同じことだろう。そして,2)の執念と3)の運も含めてすべて「実力のうち」と考えれば,結局,実力があるのに負けた,というのは事実ではなく,実力があった人が勝ち,勝った人は実力がある,ということになるのかもしれない。

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