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2008年10月 3日 (金)

ネット難民をメシの種にする弁護士-ネットカフェの広告にびっくり

今、都内のネットカフェ(昔は漫画喫茶、マンキツなどと言っていたのだろうが最近はネットカフェのほうが一般的だろう)にいる。ある学会の取材があり、昼過ぎに終わったのですぐに事務所に戻って仕事をするつもりだったが、事務所に戻っても寝てしまいそうなので、久しぶりにネットカフェに入ってみた。本でも読みながら、眠くなったら眠るつもりで、イス席ではなく、フラットな個室に入った(床は畳ではなく、ビニールの安っぽいマットのようなもの。広さは半畳くらいか。ネットカフェに入ったことのある人ならわかるだろうが、横になってそなえつけの毛布をかぶれば「ホテル」代わりに使える)。

ネットカフェで寝泊りして日雇い仕事で生活をつないでいる「ネット難民」のことはもうずいぶん前から話題になっているが、今日、数か月ぶりにはいってみて驚いた。個室に備えてあるパソコンのキーボードの上に、A5(ハガキサイズ)くらいの小冊子がおいてあったからだ。「返済に困ったときの借金解消 法律アドバイス」(弁護士法人 アディーレ法律事務所)と書かれたその冊子は、多重債務を解決する方法として、自己破産、民事再生、任意整理などの手続きをお手伝いします、という弁護士の広告なのだ。この冊子は誰かの忘れ物ではなく、この法律事務所がネットカフェに依頼して置いてあるものに間違いない。なぜなら、あいている隣の部屋とその隣の部屋を覗いてみたが、いずれの部屋にも同じ冊子が、同じ位置(キーボードの上)にまっすぐ置かれていたからだ。

このアディーレ法律事務所というのは、石丸幸人という人が代表弁護士で、テレビ「スーパーモーニング」にレギュラーコメンテイターで出演中とあり、本人の写真も冊子に載っている。言われてみれば見たことのあるような顔だ。

多重債務に困っている人がたくさんいるというのは事実だろうし、弁護士のおかげで助かる人がいるのもそのとおりなのだろうが、ネットカフェにこのような冊子を置いておくとは、なんともナマナマしい印象を受けた。

広告というものはprospective customers/clients(見込み客)がたくさんいそうなところに出すのが鉄則だから、ネットカフェに自己破産お手伝いの弁護士事務所の宣伝パンフを置くのはマーケティングの合理性に則ったものなのだろう。確かに、大学受験の合格発表の日に、予備校のチラシが配布されたりすることは普通に行われているだろうし、その程度であればわたしも驚かない。

しかし、ホスピスの前で葬儀屋がチラシを配っていたらどうだろうか。この喩えが的を得ていなければ(的は射るもので、的を得る、は間違いらしいが、どうもふだんは、的をえた、と使っている気がする)、労働条件の過酷な会社(いわゆるサービス残業が多い「名ばかり」店長の多い会社など)の前で精神科医院やメンタルヘルスクリニックが「うつ病の相談はお早めに」というような冊子を配っていたらどうだろうか。

多重債務者をターゲットにした借金解消法律アドバイスの宣伝冊子をネットカフェに置くことは、的を得ている。いや、得過ぎているのだ。

そこには、ただの商売人ではないプロフェッションとしての弁護士という職業の矜持とか抑制が全然ない気がする。卑しいのだ。本当は、この弁護士事務所にも多少の躊躇や良心の呵責のようなものがあったのかもしれない。なぜなら、冊子の裏表紙の下のほうに「この度のご案内、債務整理当がご不要な方には、誠に失礼申し上げました」という言い訳のような一文が入っているからだ。

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