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2009年1月16日 (金)

「FDA版プロモーションコード」発表される

ネットで海外の医薬品ニュースを拾い読みしていたら,FDA版のプロモーションコードのようなものが2~3日前に正式に発表されたことを知り興味を持った。これは正式にはGUIDANCE FOR INDUSTRY: Good Reprint Practices for the Distribution of Medical Journal Articles and Medical or Scientific Reference Publications on Unapproved New Uses of Approved Drugs and Approved or Cleared Medical Devices U.S.と呼ばれるもので,「FDA承認医薬品ならびに医療機器の適応外使用に関する内容を含む医学文献および参考書籍の配布に関する実施基準」とでも訳すのがよいのだろうか。製薬協のプロモーションコードのFDA(米食品医薬品局)バージョンみたいだなあ,という印象を持った。

わたしは知らなかったが,このガイドラインについては一昨年くらいにドラフトが出され,いろいろと議論はされていたらしい。いくつかポイントを挙げると,1) 製薬メーカーのMRは医薬品の適応外使用(off-lable uses)に関する文献のリプリントを配布してもよいが,他の販促資材とは一緒に配布してはいけない。2)配布はしてもいいが,訪問時にMRは医師とその内容について話をしてはいけない。3) 学会など学術的情報交換の場でリプリントを配布するのはかまわないが,販売促進の展示会場や製薬メーカー提供のシンポジウム等での配布はいけない。4)配布するリプリントは査読審査のあるジャーナル(peer-reviewed journals)に掲載された論文でなければならない。5)論文の要約やマーカー/下線などで際立たせた要約などはいけない。6)配布文献で紹介されている医薬品の使用法は,FDAの承認外使用であることを明瞭に記載しなければならない,7)配布している製薬メーカーとその論文の著者との金銭的関係も明確に示しておかなければならない,etc, etcである。

.これだけ読むとかなり厳しい内容だが,製薬メーカー側(Coalition for Healthcare Communicationという組織がある)からは厳しすぎるという意見がある一方,米民主党・下院議員のHenry Waxmanのように,これでは逆に,どんな適応外使用の文献リプリントでも配布できてしまうと批判的立場をくずしていない人もいる。

アメリカでoff-label useの文献配布がこれほど問題にされているということは,実際にはoff-label useがかなり広く行われているという逆の証左といえるだろう。

批判的な見解のなかには,off-label useの論文のリプリントがどんどん配布されれば,地道に臨床試験をして承認を得ようという意欲が製薬メーカーから失われ,FDAの審査を回避しようという動きも出てくる,と警告を発している人もいる。

わたしは海外の医学会議の取材はもう100回近く経験しているが,論文のリプリントなど,展示会場やスポンサードシンポジウムの会場にはいくらでも置いてあったし,そのなかには適応外使用を含む論文も結構あったはずだ。そういうことが今年からなくなるのだろうか。今度米国の学会取材に行くときは,そのあたりの様子も注意して見ていきたいと思う。

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