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2009年7月 1日 (水)

社会保険庁からの嬉しくない「誕生日プレゼント」-ねんきん定期便

今年ももう半分過ぎてしまった。終わってみればアッという間だが,後半の半年(とその先,20年近く)のことを考えると疲れがどっと出てきてしまう。まあ,心配しても仕方ないことがほとんどだが。

6月はわたしの誕生月だったが,社会保険庁から嬉しくもない誕生日プレゼントが届いた。ねんきん定期便,である。今年度から誕生日の月に送られてくるそうだ。過去の年金加入記録と将来の予定受取金額などが書かれている。すでに多くの方が受け取っているだろうが,わたしの場合,2008年1月から国民年金だけになっているので,ほぼ予想通りではあったものの,その受取(予定)額の低さに改めてショックを受けた。しかも,今でいうフリーター的生活を30歳くらいまでしており,サラリーマンとして厚生年金をきちんとかけた期間が15年程度しかないので,あと10年近く,国民年金を払い続けないと,これまでの掛け金はすべて水の泡になる(25年以上,掛け金を払わないと一銭もでない)。

これについてはすでにいろんな批判が出ているようだが,25年払わなければゼロ,というのはふざけんじゃねえ,と言いたくなるほどひどいしくみではないだろうか。年金に関しては,積立式,賦課式,とか,専門的にはいろいろな議論があるらしいが,民間の保険でも,満期前の解約は,かなり減額されるとはいえ,ゼロにはならないだろう。あるいは,わたしも加入しているが,個人事業主などが自分の「退職金」を作るために積み立てておく,小規模企業共済(監督官庁は経済産業省だったと思う)も,1年(12か月)以内に退会した場合は,ゼロ(掛け捨て)になるが,1年を越えると,相当減額にはなるとはいえゼロにはならない。

そもそも,こういう「ねんきん定期便」のようなものが今まで送られてこなかったこと自体がふざけた話だと思う。

すでに何年か前,明らかになって物議をかもしたことであるし,ネットにもたくさん出ているので知っている人も多いと思うが,「厚生年金制度回顧録」に掲載されている,花澤元厚生省年金課長の国会予算委員会での発言(『集めた年金保険料はどんどん使って、後で年金支払いのときに困るようなことになれば、賦課式にすれば良い』)は,日本(人)の恥部として永久に記録されておくべき発言だと思う。

Googleで検索すれば,いろんなところにでているが,知らない人のために2つほどURLを貼っておきます。

http://nuttycellist.blog77.fc2.com/blog-entry-524.html#comments

http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20070629

などのブログで詳しく取り上げられている。

ところで,このねんきん定期便には,これまでの加入実績に応じた基礎年金額と厚生年金額から受け取れる合計額(年額)が記載されており,その下に「上記の金額を,仮に20年間受給した場合の合計額は○○○○円になります」と書いてある。そして,そのさらに下に,「(参考)これまでの保険料納付額」,という欄があり,保険料納付額の累計額が書いてある。

「仮に20年間受給した場合の合計額」をこんなふうに,わざとらしく,目立つように書く意味が一体どこにあるというのだ。例えば,これまでの加入実績から年金の年額が100万円と出ている人の場合,「20年間で2,000万円貰えますよ,なのに,保険料納付額の合計は(例えば)800万円ですよ,だからお得ですよ,損はしていませんよ」と伝えたいのだろうが,バカにするのもええかげんにしてほしい。

「仮に20年間受給した場合」といちいち説明されなくても,受取予定年額 X 年数で,合計額などはだれでも暗算で計算できる。実際は,65歳から年金を受け取り始めて68歳で亡くなる人もいれば,90歳過ぎても生き続けて,受給が続くひとがいる。そんなことは誰でもわかっているし,20年受給したら掛け金の2倍以上もらえることになる,と知って,年金に対する考えが好意的に変わる人でもいると思っているのだろうか。

積立式,賦課式,税方式,と資金の投入の仕方はいろいろあるし,その技術的な差や個々の問題点についてわたしは議論する知識はないが,全体として,年金が(健康保険もそうだが)相互扶助である限り,支払った金額の総額と受け取る金額の総額の比率に,個人個人の差があるのは不可避だ。もっとも,今一番大きな問題は,世代間格差,つまり,わたしの親のような世代は(平均年齢ぐらいまで生きた場合),かけ金総額の数倍以上の年金を受給するのに,わたしやわたしより若い世代は,2倍とかひょっとしたら2倍以下,下手をすると掛け金総額よりも少ない金額しか受け取れない,という不安があることだろう。

ただ,少子化の問題や経済の状況(これは年金資金の運用成績にも関係する)もあり,世代間のある程度の差は仕方ないのではないかと思う(その「程度」がどのくらいまでなら許容範囲かは議論の必要があるが)。ましてや,同世代でも,給料のいい会社で,厚生年金どころか,会社による3階建ての上乗せ年金(厚生年金基金や会社独自の企業年金)のあるところに定年まで勤務した人や,一方,わたしのようにサラリーマン生活が15年程度で,これから20年近くは国民年金しか払わない予定の人間とで,受取額に差があるのは当然だ。さらにそれとは次元が異なる話だが,早死にする人,長生きする人,がいるのだから,「仮に20年間受給した場合の合計額」などという数字を計算することには何の意味もない。

一番の問題は,国民から徴収した税金や保険料を,まるで自分の金でもあるかのように,自分たちの個人的な利益,天下り先,省益,選挙の票,のために分捕り,使い続けてきた役人や政治家に対する不信感だろう。また,そういう動機からの行動・決定を監視し,抑制できる仕組みのなさであろう。そういうことに対する不信が払拭され,透明なシステムできちんと説明できる政治及び政治家が現われない限り,「年金なんて払っても損するだけ」と考えて払わない人は,増えることがあっても減らないと思う。(冷静に考えれば,年金は払い続けたほうが,それほど「得」はしないとしても,「損」はしない,とわたしは考えている。しかし,損得で払うのではなく,“お互い様”,“相互扶助だから,みんな払える範囲できちんと払おうよ”,と気持ちよく支払いできる制度をなんとか作ってもらえないものか。現状では,「厚労省や社保庁の役人,政治家どもには腹が立つが,仕方ないので払っている」というのが本音だ)。

いつものことであるが,今回もまとまらない話になってしまった。年金問題になるとどうも興奮して,血圧が上がってしまう。やばい。85歳まで生き延びなければ「仮に20年間受給する」こともできないのだが......。

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