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2009年12月 1日 (火)

「エコノミストを格付けする」を読みました

東谷 暁 著 「エコノミストを格付けする」(文春新書)を読んだ。以前,同じ文春新書から出ているこの著者の「エコノミストは信用できるか」を読んだことがあり,この著者には関心を持っていた。

エコノミストを格付けする エコノミストを格付けする

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この本はエコノミストと称する人たちのここ数年の雑誌や新聞等に載った論文や記事,書籍等をひたすら読みこんだ著者が,各エコノミストの主張や見解のブレや矛盾,当否について論評している本だ。アマゾンのレビュー(今回はアマゾンへのリンクはしていない。ざまみろ)では否定的な意見も結構あるが,わたしはすぐれた本だと思う。おもしろかった。

わたしは商学部という中途半端な学部へ入り,卒業はしたものの授業には最低限しかでなかったので,もとより経済学の知識などほとんどない。しかし,いや,だからこそ,こういう本は,著明なエコノミストたちの言動を効率的に把握するのに役立つ。

取り上げられているのはほとんどが日本のエコノミストだが,元FRB議長のグリーンスパンやノーベル経済学賞のクルーグマンに対する批判的な記述も多い。

さまざまな書物や論文,記事から個々のエコノミストの発言(意見)を抜粋・引用しているので,なかには正しいコンテクストを反映していない引用はコメントもあるかもしれない。しかし,それでもこれだけの数のエコノミスト(40人)の著作・論文を読み続けているのはすごいと思う。

中谷巌氏に対する批判はわたしが以前書いたことと似たようなトーンだったのでなんとなく嬉しかった。もちろん,わたしが1月に書いたときはこの本はまだ出版されていなかった。

この本は“格付けする”とは言っても,第9章(203ページ)までは,<エコノミストたちの「大恐慌」>(序章),<金融崩壊を予測できた人,予測できなかった人>(第一章),<新自由主義の罪と罰>(第二章),<格差社会と「小さな政府」>(第三章),など,各章ごとのテーマに関連したエコノミスト諸氏の発言・著作とそれに対する東谷氏の論評,という構成となっている。各章で取り上げられたエコノミストに対して東谷氏は論評しているが,点数をつける本当の“格付け”部分は終章の<エコノミストたちの採点評>の部分だ。

その終章は正直言ってあまりおもしろくない。第九章まで読めば大体答えは出ているし,そこまでで十分楽しめる。さらにいえば,採点評というわりには,40人の差があまり出ていない。ムーディーズの格付け(Aaa~B3)にしたがってはいるものの,終章のコメントはどうも厳しさが十分でない印象を受ける。

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