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2010年3月

2010年3月11日 (木)

「医薬品クライシス 78兆円市場の激震」を読みました

<医薬品クライシス 78兆円市場の激震>(佐藤健太郎 著,新潮新書)を読んだ。著者はサイエンスライターでわたしは知らなかったが,以前からかなり活躍されているようだ。現在40歳。東京工業大の大学院で有機合成化学を専攻後,製薬メーカーの研究所に勤務。その後,サイエンスライターとして独立され人だ。いまは,東大で特任助教も兼任されている。

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薬とはどのようなものかに始まり,薬の発見から創薬のプロセスやその困難さ,医薬品に不可避の「欠陥」,そして,本書のメインテーマである医薬品市場の現状と今後の行方などについて,興味深いエピソードをおりまぜて読みやすく書かれている。製薬会社で研究されていただけあって,文章は平易だが記述は正確。わたしも仕事がら,本書で書かれていることは,ほとんど知ってはいたが,所詮,雑学程度に記憶にあるだけの知識なので,良い頭の整理になった。

2010年3月 8日 (月)

バンクーバーオリンピック感想,その他

あっと言う間にバンクーバーオリンピックが終了してしまった。日本の銀メダル2個,銅メダル3個は前回(トリノオリンピック)の金1個(荒川静香)よりもメダルの数としては多いが,どういう評価なのだろう。まあ,立場によっていろいろ判断はあるだろうが。

浅田真央の銀メダルと高橋大輔の銅メダルは素直に立派だと思った。浅田選手はオリンピック前の不調を考えると素晴らしい出来だったと思うし,高橋選手のフリーは4回転の転倒を除けば,素人のわたしでも,金メダルをとった米国のなんとかチェック選手や銀のプルションコ選手より優雅に見えた。浅田選手のトリプルアクセルの評価点が低いと,事後,いくつかのテレビ番組でやっていたが,あれについては全くわからない。だいたい,アクセル,ルッツ,トールループ,などなど,ジャンプの種類を言われてもわたしには違いが認識できないからだ(覚える気がないからだが)。

スケート500の長島選手の銀メダルと加藤選手の銅メダルは,大会前半の獲得で,日本を大いに盛り上げてくれた。長島の2回目巻き返し(1回目はたしか6位くらいだったか)の銀はすごいと思うのだが,1000メートルでの惨敗で500の銀の価値を少し下げてしまったように思う。スタート前のいろいろなトラブルがあったのは気の毒ではあるが。

ところで,最近,幼児虐待のニュースが多くて気が重くなる。一番最近の奈良県桜井市の事件(5歳の男児が食事を与えられずに餓死)など,テレビのニュースを聞いているだけで辛くなってくる。埼玉の蕨市でも1件,あったと思う。なんとかならんのか。いたたまれない。

2010年3月 7日 (日)

学会取材-日本循環器学会

日循の取材仕事で京都に来ている。クライアントから依頼されたアサイメントは終わったので3日目の今日は仕事と関係なく発表を聞いてみたいところだが,親の見舞いで施設に行くのでこのあとすぐホテルをチェックアウトする予定だ。

2日目朝,Steven E. Nissen氏の特別講演(Cardiovascular Effects of Drugs to Treat Diabetes Mellitus)と北徹氏の会長講演(Molecular Mechanisms of Atherosclerosis)だけは,仕事と関係なく聞いた。

Nissenはいわずと知れたクリーブランドクリニックの有名ドクターで,Cox阻害薬(薬剤名忘れた)や糖尿病治療薬rosiglitazoneの心筋梗塞(MI)リスクについて警告した先生だ。CNNなどにも出ているのを見たことがある。

Nissenの講演は非常にわかりやすかった。話すスピードも日本人向けに(?)非常にゆっくりだった。日循出席の先生方なら同通レシーバーが必要なひとはほとんどいなかっただろう。

ピオグリタゾンはMIリスクを低下させる(HR = 0.84)が、rosiglitazoneでは有意に高くなる。だが,両剤とも慢性心不全(CHF)リスクについては上昇させる(傾向がある)。同じチアゾリジン系の薬剤で何故このような違いがあるのか。

「これから出る,新しい糖尿病治療薬の承認にあたり,これまで以上に大規模な治験データを求めるほうが安全性担保という点ではよいが,承認時期の遅れのマイナスを考慮するとどこかで妥協しなければならない。そこで私(Nissen)は,承認前トライアルでは,主要有害心イベント (MACE)のハザード比(HR),1.8以上を捉えられるような規模の治験が必要だとFDAに進言し,FDAはそれを受け入れた」

とまあ,だいたいこんなことを言っていたように思う。過去のピオグリタゾンやrosiglitazoneの承認の際の治験データは、約3000例規模のものだそうで,上記の基準を今後,FDAの糖尿病新薬承認の際の条件とすると,より大規模(6000例くらいと言っていたかなあ)なものにはなるが,承認のスピードに対する影響は数ヶ月~1年程度の遅れだろうという。

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