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2010年5月 6日 (木)

学会取材-日本小児科学会-①

盛岡で開かれた(4月23日~25日)日本小児科学会の取材仕事のため22日の夜,盛岡に入った。依頼された仕事は23日午後3時からのシンポジウムだけだったので日帰りも可能だったが,プログラムを見ていると,個人的な興味を引く演題が多く,23日の朝から出席しようと考えたからだ。ところが,前日,盛岡の盛り場で痛飲し,朝起きると二日酔いで頭が割れそうに痛い。バファリンでごまかしたが,ホテルを出たのはチェックアウト時間ギリギリになり,結局,午前中に出席しようと思っていたセッションには出られなかった。ただ,本当に聴きたかった2つのセッションには出席できた。

1つは「教育セミナー3 ADHDと子ども虐待」で,もう1つは「シンポジウム3 日常診療における虐待への気づき:合理的疑いを持つために」だ。教育セミナーのほうは12:00~12:50のランチョンセミナーだったが(スポンサーはたしか,イーライリリーだったと思う),そうと知らずに少し遅れて会場に入った。あいち小児保健医療総合センターの杉山 登志郎先生による講演で,この領域では有名な先生らしい。

豊富な臨床経験から多数の症例(診断・経過)を示し,さまざまな発達障害(PDD,ADHD,DCDその他)と虐待との関係,特に,虐待がからむ発達障害とそうでない発達障害の違いなどについて詳しく話されていた。

講演を聴いてなるほどと思ったのだが,虐待が原因で起こる発達障害は,そうでない発達障害と比べると,重症で治療は難しく,薬(いろんな向精神薬が出てきた)の反応が良くない例も少なくないらしい。こう書いてしまうと当たり前のような気がするが「ADHDと子ども虐待」というタイトルを読んだとき,わたしは,虐待が(心理的)トラウマになりADHDになる,と単純に考えていた。

しかし(苛烈ですさまじい)虐待を受けた子どもが受ける傷は,心の傷,などと呼ぶにはあまりにもすさまじく,近年のfMRIやPETを使った研究では,「脳」そのものに変化が生じていることが明らかにされてきている。そのような虐待を受けたPDDやADHDの患児と,虐待はなくPDDやADHDと診断される患児では症状や予後が相当異なるようだ。

杉山先生は,DSMによるカテゴリー診断(操作的診断)の問題にも触れていたと思う。DSMの診断基準のみでPDDやADHDを診断すると,過剰診断になってしまう傾向があるということや,虐待が基礎にある発達障害患者とそうでない患者を区別できないことなど。

講演の最後のほうでは,虐待児の数(被虐待児率[?])についても言及していた。虐待は1年で終わるわけでなく,ほとんどの例が何年にも及ぶので,日本全体の被虐待児率は(?%,ここの数字,忘れてしまった。1%だったか,2%だったか,あるいは5%だったか)相当高い数字になる,という意見だったと思う。

講演の録音もせず,スライドの写真も撮らずに二日酔いの頭で聴いた2週間前の講演内容なので,記憶違いもあるかしれないが,子ども虐待の被害児童やその親たちの実態を少し垣間見たような気がした。(ここまで書いて,杉山先生の本を検索したら以下の本が見つかったので早速注文してみた)

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