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2010年6月10日 (木)

学会取材-米国臨床腫瘍学会(ASCO 2010)-②

今年のASCOは昨年の新型インフルエンザによる出席者減少の反動からか,日本人の参加者が非常に多い気がした。もっとも,昨年のASCOにわたしは行っていないので「昨年は日本人が少なかった」という人づての話と比較してのあまり意味のない印象だが….。

今回の仕事でカバーする発表は可能な限り聴いたり閲覧(ポスター)したりしたが,それ以外の隙間時間に聞いたセッションで印象にのこっているものについて少し書いておきたい。

“Randomized, open label, phase III trial of figitumumab in combination with paclitaxel and carboplatin versus paclitaxel and carboplatin in patients with non-small cell lung cancer(NSCLC)”(Abstract # 7500)
 6/5(Sat)の朝8:00からの発表で,途中からしか聞いていないが,figitumumab追加による上乗せ効果なし。figitumumabとは,インスリン様成長因子1受容体(IGF-1R)の経路を阻害するヒト化モノクローナル抗体(Mb)だ。Googleで調べたら,すでに3月に開発中止が決まっていたようだ。Phase III段階でのこの結果は,開発メーカーにとっては痛手だろうが,この演題のDiscussion(解説),“IGF1R: Where Do We Go from Here?”をしたD. Ross Camidge氏(University of Colorado)は,phase IIまでの段階でもっと詳細な研究をしておくべきだと,この薬に限らず,ほかの分子標的薬のことも含めて,「数打ちゃあたる」のような臨床試験のあやうさを指摘していたと思う。

次に発表された,“A randomized phase II trial of mapatumumab,a TRAIL-R1 agonist monoclonal antibody, in combination with carboplatin and paclitaxel in patients with advanced NSCLS”(Abstract # LBA7501)。
 TRAIL-R1とは,アポトーシスを誘導する“death receptor”だそうで,mapatumumabはdeath receptor-4に結合してアゴニストとして作用し,がん細胞をアポトーシス(細胞死)に至らしめることを狙った薬らしい。この発表はLate-breakingの1つで, A群(化学療法群[カルボプラチン + パクリタクセル]),B群(化学療法 + mapatumumab 10mg),C群(化学療法 + mapatumumab 30mg),を比較したが,進行なし生存率(progression free survival;PFS),全生存率(overall survival;OS)のいずれについても,mapatumumab追加のプラス効果なし,という結果だった。

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