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2010年6月

2010年6月30日 (水)

6月最後のとりあえずのエントリー

今年も今日でちょうど半分終了。早いような,まだ半年も残っているような,そういう曖昧な気分だ。

ASCOから戻って以来,バタバタといろんなことがあり,疲れも重なって,能率の悪い日々を過ごしているが,ここへきて,数日前から右手人差し指がずきずき痛みだし,参っている。以前も似たような症状で仕事ができなくて閉口したが,今回は前回と違って,いまのところ痛いのは右手の人差し指だけだ。またバンドエイド + 指サックでしのいでいるが,仕事の能率が通常の3分の1以下に低下している。キーボードがまともに打てないのだからどうしようもない。

こういう痛みはヒトに理解されにくいのでほんとうに困る。傍から見るとたいした問題に見えないからだ。指のささくれなどもそうだが,たいしたことはなさそうなのに,生活全般への影響は大きい。

書きたいことはいっぱいあるが,仕事が滞っているのでとりあえず今日はこれでおしまい。

2010年6月10日 (木)

学会取材-米国臨床腫瘍学会(ASCO 2010)-⑦

疲れてきた。もうやめよう。

ASCOは2年ぶりで,2008年に取材にきたとき,tinib-mabだらけだなあと感じたが,その傾向はますます強くなってきている。以前どこかで読んだが,10年後には癌領域の薬はほとんど分子標的薬になると予測されているらしい。

しかし,「今日の治療薬」をひもとけば一目瞭然だが,分子標的薬はべらぼうに高額だ。この点について,ASCOではあまり議論がなかったように思う(あったのだが,そのセッションを聞いていないだけかもしれない)。少なくとも,私が聴講した発表(このブログで触れたもの以外にも結構な数の発表を聞いた)の質疑応答で,薬の値段(医療費)とのからみで,分子標的薬の開発を進めることに対して疑問を呈するようなコメントはほとんどなかった。薬価に関して言及したコメントが少しはあったかもしれないが,それがきっかけで,大議論が広がった,という場面には遭遇していない。

まあ,ASCOに出席している人の利害関係を考えれば当然とも思えるし,そんなことを言えば,わたしも,そのような癌研究の繁栄の,末端の末端の末端の………末端の恩恵を受けて,仕事を得ているわけだが……..。

ただ,そろそろ,イケイケドンドンのような,なにがなんでも分子標的薬,といった開発に対する反省が,さまざまな方面から出てくるような印象を今回は持った。あるセッション(たぶん,Angiogenesis: Where Do We Go from Here?のセッションだったと思う),で,“Me, too drugはうまく行かないだろう”というような講演者の言葉を聞いた。

学会取材-米国臨床腫瘍学会(ASCO 2010)-⑥

だらだら書いていながら,内容のないエントリーで自分でもいやになる。

最終日(6/8)に聞いたEDUCATION SESSIONS,“Angiogenesis: Where Do We Go from Here?”のなかの,

Robert S. Kerbel氏(Sunnybrook Health Science Centre)の講演,“Contrasting Effects of VEGF Pathway-targeting Antibodies and TKIs on Microscopic versus Advanced Metastatic Disease”はおもしろかった。

現在の分子標的薬の主流は,抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor;VEGF)抗体やチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)だが,これらの薬剤を投与すると,micrometastasis,つまり,微小転移がむしろ増えたり,腫瘍増殖を刺激する,という研究知見が少なくないそうだ。Kerbel氏はいくつもの論文のタイトルをスライドで示していた(例:Anti-VEGF therapy as adjuvant therapy: clouds on the horizon?[補助化学療法としての抗VEGF療法の地平線に暗雲がたれこめてきたか?])。

 抗VEGF療法のようなanti-angiogenetic therapyは,細胞をhypoxia(低酸素)の状態にするが,その結果,HIF-1αが上昇し,腫瘍を刺激する。しかし,ミクロレベルでのそのような反応と臨床的効果とが相反するというこのideaは,新しいものではない,とKerbel氏は言っていた。

 そうは言っても,いわゆる分子標的薬の臨床効果は,現時点では,喧伝されているほどすごいものではないということも,Kerbel氏は指摘し,化学療法との併用,あるいは,monotherapyで化学療法との成績を比較したさまざまな癌種の臨床試験とその結果の一覧表を,スライド4枚くらいを使って示していた(40件くらいの試験が出ていた)。写真をとっておけばよかったと悔やまれるが,primary endpointで対照群と有意な差が出たものは少なく,出ていても,進行なし生存率(progression free survival;PFS)が改善されているのみで,全生存率(overall survival;OS)が明らかに延長するものはほとんどないということだった。

 同氏はまた,anti-angiogenesis効果が中心なので,血管増殖の関与する度合いの大きい,腎細胞癌,大腸癌,卵巣癌での成績がよく(腎細胞癌に関しては,OSが延長するという試験結果もある),胃癌,肺癌などの成績は落ちるとして,anti-angiogenetic therapyが効き易い癌と効きにくい癌を示した表も示していた(これも写真をとっておけばよかった)。

学会取材-米国臨床腫瘍学会(ASCO 2010)-⑤

帰りの飛行機は夜なので,時間つぶしにブログを書いている。帰ってからやらなければいけない仕事がないわけではないので,それをやればいいのだが,どうも気がのらない。

海外(国際)学会にきて,仕事として原稿を書かなければいけない発表以外にも,さまざまな演題を聞いていると,なんとなく,その領域のトレンドがわかるような気持ちになる。マスターベーションに過ぎないかもしれないが,今の自分にとっては重要なことだと考えている。

また,些細なことだが,薬剤などの発音も海外での発表を聞いているとすぐに覚える。ASCOでは,新しい分子標的薬がいっぱい出てきているので,音と薬剤名を結びつけられなければ,オーラル発表の理解度がかなり落ちる。

英語全般に言えることだが,アクセントの位置が大事で,これの音感やリズムを身体で覚えていないと,聞いても耳に入らないし,ましてや記者会見やインタビューで,質問などできない(まあ,そのような機会はあまりないが…..。)

 腎細胞癌のsunitinibは,スニチニブだが,ニにアクセントをおき,スニーチニブのような感じになる。Cetuximab(セツキシマブ),セトゥーキシマブ,という感じ。Erlotinibu(エルロチニブ)はたしかloにアクセントで,アーティニブ(アはこもったア),という具合だ(ちなみに,sunitinibのtiはチにちかいが,erlotinibのtiはチではなくティに近い。Bevacizumab(ベバシズマブ)は,ベヴァスィズマブで,こちらは耳になれきたが,sunitinibとcetuximabはまだ,発音しようとすると口が絡まってしまう。

学会取材-米国臨床腫瘍学会(ASCO 2010)-④

Img_0754_2  Management of Side Effects of the Treatment of Colorectal Cancer (including eQuestions)という教育講演的なセッションでは,会場に入るときに写真のような紙が配られ,発表中に携帯電話(cell phone),ネット,ツイッター,など経由で演者に対する質問を受け付けるというやり方が採用されていた。
 発表後に,スライドに症例や質問が映し出されて,聴衆が椅子においてあるアンサーパッドで答えるというinteractiveなQ&Aシステムは,かなり以前から使われているが,今回のような方式のセッションは初めて経験した。
 まわりを見てみると,確かに,携帯(スマートフォン)をいじって,ツイッターらしきメッセージを読んでニヤニヤしながら聞いている人や,携帯電話を耳にあて,何かをつぶやいたり,聞いたしている人が私の周りにもいた。
 発表が終わると,右側のスクリーンにいくつかの質問がすぐに表示されたので,発表中に質問を送っている人がいるのだろう。
 発表はOxaliplatin-induced Neurotoxicity,Managing and Reducing Side Effects of Pelvic Radiation,Dermatologic Toxicities of Targeted Therapy in Colorectal Cancerの3演題で,最後の分子標的薬による皮膚関連の副作用(rash,Hand-foot-syndrome [HFS],など)については,Mario E. Lacouture氏(Northwestern University)が講演した。このテーマではLacouture氏しかいないのかと思うぐらい,必ず出てくる人だ。しかし,理解不十分ながら聞いていたが,rashやHFSに関する対策や研究はあまり進んでいない気がした。対策や治療は,対処療法の域を出ていない。皮膚症状が強い人のほうが,むしろ予後が良い,というスライドも出ていたが,これも目新しい話題ではない。

学会取材-米国臨床腫瘍学会(ASCO 2010)-③

今回はセツキシマブ関連の試験で,ネガティブな結果のものが多かった印象を持っている。

“Identification of potentially responsive subsets when cetuximab is added to oxapliplatin-fluoropyrimidine chemotherapy (CT) in first-line advanced colorectal cancer(acrc):Mature results of the MRC COIN trial.(Abstract #3502)もいまひとつ,クリアカットでないというか,セツキシマブにとって良い結果とはとても言えないもので,DiscussantのAlan Paul Venook氏(University of California)は,COIN trialは“COmplicated to INterpret” 試験だとコメントしていた(実際の試験フルネームはこれではない)。

 “Adjuvant mFOLFOX6 with or without cetuximab (Cmab) in KRAS wild-type (WT) patients (pts) with resected stage III colon cancer (CC): Results from NCCTG Intergroup Phase III Trial N0147(Abstract #CRA3507)と
 “Adjuvant mFOLFOX6 plus or minus cetuximab (Cmab) in patients (pts) with KRAS mutant (m) resected stage III colon cancer (CC): NCCTG Intergroup Phase III Trial N0147(Abstract #3508)
 もネガティブな意味でインパクトのある結果ではないだろうか。セツキシマブはKRAS野生型の大腸癌等にFOLFOXとの併用で有効,ということになっているが,野生型でも変異型でも上乗せ効果なしであるならば,使う意味はあるのだろうか。
 CRA3507の結果について,DiscussantのLouis M. Weiner氏(Georgetown University Medical Center)は,試験デザインに問題はなく,今回の結果は“definitive results(確定的な結果)”と言っていた。

学会取材-米国臨床腫瘍学会(ASCO 2010)-②

今年のASCOは昨年の新型インフルエンザによる出席者減少の反動からか,日本人の参加者が非常に多い気がした。もっとも,昨年のASCOにわたしは行っていないので「昨年は日本人が少なかった」という人づての話と比較してのあまり意味のない印象だが….。

今回の仕事でカバーする発表は可能な限り聴いたり閲覧(ポスター)したりしたが,それ以外の隙間時間に聞いたセッションで印象にのこっているものについて少し書いておきたい。

“Randomized, open label, phase III trial of figitumumab in combination with paclitaxel and carboplatin versus paclitaxel and carboplatin in patients with non-small cell lung cancer(NSCLC)”(Abstract # 7500)
 6/5(Sat)の朝8:00からの発表で,途中からしか聞いていないが,figitumumab追加による上乗せ効果なし。figitumumabとは,インスリン様成長因子1受容体(IGF-1R)の経路を阻害するヒト化モノクローナル抗体(Mb)だ。Googleで調べたら,すでに3月に開発中止が決まっていたようだ。Phase III段階でのこの結果は,開発メーカーにとっては痛手だろうが,この演題のDiscussion(解説),“IGF1R: Where Do We Go from Here?”をしたD. Ross Camidge氏(University of Colorado)は,phase IIまでの段階でもっと詳細な研究をしておくべきだと,この薬に限らず,ほかの分子標的薬のことも含めて,「数打ちゃあたる」のような臨床試験のあやうさを指摘していたと思う。

次に発表された,“A randomized phase II trial of mapatumumab,a TRAIL-R1 agonist monoclonal antibody, in combination with carboplatin and paclitaxel in patients with advanced NSCLS”(Abstract # LBA7501)。
 TRAIL-R1とは,アポトーシスを誘導する“death receptor”だそうで,mapatumumabはdeath receptor-4に結合してアゴニストとして作用し,がん細胞をアポトーシス(細胞死)に至らしめることを狙った薬らしい。この発表はLate-breakingの1つで, A群(化学療法群[カルボプラチン + パクリタクセル]),B群(化学療法 + mapatumumab 10mg),C群(化学療法 + mapatumumab 30mg),を比較したが,進行なし生存率(progression free survival;PFS),全生存率(overall survival;OS)のいずれについても,mapatumumab追加のプラス効果なし,という結果だった。

2010年6月 5日 (土)

学会取材-米国臨床腫瘍学会(ASCO 2010)-①~たぶんこれだけ~

3日の夕方,シカゴに到着。会場(McCormick Place)から歩いて5分程度の昔の邸宅を使ったホテルにチェックインした。事実,このホテルの名前は~Mansionといい,日本のマンション(こちらでいうcodominium)とは全く異なる。仕事向きとは言いがたい雰囲気ではあるが,とても快適だ。

Img_0506 学会速報の仕事できているが,わたしの役割はライターではなく,ほかのライターさんたちが書いた原稿のチェックと校正作業。医学新聞社の編集者だったころは同様の仕事をよくやったが,フリーになってからライターとして以外に海外学会に来たのは今回が初めてだ。明日から本格的に仕事が始まるので,ASCOに関してはブログの亢進はできないかもしれない。とりあえず,アリバイ証明のために(誰に対してかわからんが)大看板の写真を添付する。

今回も日本人の参加が多そうだ。ASCOではプレス登録でないので,On-siteで有料の一般登録をしたが,参加費は$905。8万円以上だ。クライアントに請求するので自分の懐が痛むわけではないが,8万円も払うならできるだけ多くのセッションを聞きたいところだ。もっとも,夕方から明け方までの作業が明日から始まるので,どれだけオーラル演題の聴講やポスターの閲覧ができるか,はなはだ心もとない。

ここからはチャイナタウンが近く,今日はそこで,おかゆ(英語ではCongeeという。今日はBeef congeeを注文した)とエビ餃子(蒸したやつ)を食べ,たいへんおいしかった。

2010年6月 4日 (金)

学会取材-米国泌尿器科学会(AUA 2010)-②

AUAでは腎癌のセッションを取材している人が多く,わたしも同業者に会った。やはり分子標的薬が出てきているからだが,泌尿器科のほかの領域の疾患は目新しいことが少ないのに,腎癌だけは“流行り”の領域という感じがして対照的だった。

昨日はPlenary Session IVを聞いた。最初のHIGHLIGHTS FROM TUESDAY SESSIONSは前日の一般演題やポスター演題から良い演題を専門家が選んで短く紹介するセッションで,短時間でどんな発表が会ったのかを知るのに非常に効率がよい。

Laurence Levine氏によるSTATE-OF-THE-ART LECTUREの1つ,A CRITICAL DISCUSSION OF TREATMENT OPTIONS FOR CHRONIC ORCHIALGIAでは慢性精巣痛のpathlogyや治療オプションについて解説されていた。最近はないが,以前,時々激痛が走ったことがあったので“わが身に引き付けて”聞いたが,精巣癌との鑑別が第一番に重要とのこと。orchialgiaは比較的commonoなようで,少し安心した。

もう1つのSTATE-OF-THE-ART LECTURE,EVIDENCE-BASED- RECOVERY OF SEXUAL FUNCTION FOLLOWING ROBOTIC PROSTATECTOMY(Phillip Dahm氏)では,まず最初に1990年代からのEBMの3つの流れ(マックマスター大学のサケット教授らによるEBMの提唱,英国のコクランライブラリーの創設,米国の診療ガイドライン作成の流れ)についての言及があった。

今年は(といっても①で書いたように,AUAには数年ぶりなので昨年との比較ではない)robot-assisted laparoscopic prostatectomy(RALP;ロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術)関連の発表が多い気がした。2001年にdaVinciがFDAに承認されてから約10年。すでに全米のかなりの数の病院で普及しており,その治療成績も概ね良好のようだ。展示会場でもda Vinciのデモ映像と実物をおいてあり,私も実際にみたが,大きな図体のわりには,細かい糸を器用に通しており関心した。

RALP後の性機能不全は,ヒトによる手術よりも少なが incontinece (尿失禁)は増える傾向にあるようだ。

もっとも,ヒトによる前立線全摘術とRALPを比較したRCTはなく,これについては,RCTがなくても,価値のあるobservational findingsは得られるとDahm氏は述べ,“Parachute use to prevent death and major trauma related to gravitational challenge: systematic review of randomised controlled trials”というBMJの論文を紹介して会場から笑いをとっていた。

(ここまで書いて、一旦保存したあとに、会長講演やnocturia in elderly patients のcritical discussioのことなど,いろいろなことを書いたが,保存せぬままネットが切断され消えてしまった。あと30分でホテルを出なければならないのでここで終わり。このエントリーがアップされる頃はシカゴへ向かう飛行機で爆睡しているはずだ)。

2010年6月 3日 (木)

鳩山退陣-去年の10月を思い出した

鳩山首相が退陣を表明した。まあ,時間の問題だったから驚きはないが,次の総理候補の筆頭,菅直人氏にもまったく期待は持てない。特に,普天間の問題その他で鳩山政権がそれほど長くない状況になってからの菅氏のダンマリには失望している。というか,民主党を含めて,いまの政治家は自民党もそのほかの党も,自分の党や自分自身を捨石にして日本のために働くという気概を持ったやつなど誰もいないんじゃないだろうか。

サンフランシスコにいるので,あれ,なんか鳩山のことがこの街で話題になったなあ,と眠い頭でボート考えていたら,去年の10月にICSの取材で来た頃に,週刊誌で鳩山の略奪婚のことが話題になっていたのを思いだした。ここに書いてある<サンンシスコ滞在20年という日本人女性の店員>というのは,実はいま滞在しているホテルのすぐ近くにある,COACHの店にいたのだが,まだいるかもしれないなあ。大阪出身のアクの強いおばさんだった。ま,そんなことはどうでもいいが。

夏の参院選がせまって民主党の参院改選組が鳩山退陣を求める動きになっていたとかいないとかがネットの新聞報道で出ていたが,これは,前の衆院選の麻生首相引きおろしのときと全く同じパターンだ。これについては,岡田外相もコメントしていたが,今回の鳩山氏の場合は,退陣してもしなくても,批判はなくならなかっただろうし,どう考えても正常な精神状態だとは思えないので,辞めるのは仕方なかったと思う。

それにしても,先の衆院選のときの自民党も今回の民主党もそうだが,選挙が近づくと,議員がぎゃあぎゃあ騒ぐのは,会社でリストラされそうな社員が騒いでいるのと全く同じだ。その動機や行動原理には公(おおやけ)の部分が全くない気がする。

ある有名サイトの掲示板に「もっともっと政治的混乱が続いて国民が『人任せにしておけん』と思わなければ本当のリーダーは出てこないでしょうね。鳩さんの悪口言う人多いですが,私は必然的に出てきた一国の衰退の象徴だと思っています」という,そのサイトの管理者のコメントが出ていたが,なるほどとうなずいた。たしかに,今の日本の政治はひどいが,もっと悪くならなければ,危機感は出てこないだろう。

そう書いているわたし自身,出張先の休憩時間にこんな気楽なことを書いているのだから。

2010年6月 2日 (水)

学会取材-米国泌尿器科学会(AUA 2010)-①

Img_0193_4 5月28日(金)から米国泌尿器科学会(American Urological Association;AUA)(サンフランシスコ)に来ている。もっとも,今回の仕事は学会場ではない別のホテルで行われる某メーカー主催のセミナーの取材(2回)とその発表の原稿執筆だ。原稿の締切は帰国後,しかも,それほど急ぎの仕事ではないので,ここでは学会発表を自由に聞いてみようと思ってやってきたが,どうも思惑通りにはことが進まない。

セミナーの取材以外にいくつか学会の取材(材料撮り)を依頼されたこともあるが,時差ボケがうまくなおらないのも大きな要因だ。すでに3日間が過ぎ,プレナリーセッション(朝7:30~12:00まで最も大きな会場で行われる)も5/30から始まったが,眠くて仕方がない。眠いので午後(夕方)~夕方(夜),あるいは,夜~明け方(午前3時前後)まで眠ってしまい,朝(7時)になると眠くなる。アメリカにはこの業界に入って以降,少なくとも50回以上は来ており,ある程度の回数をこなしてからは,1~2日で時差ボケが解消される“体質”になった思っていたが今回はどうも勝手が違う。

今回はこのあと,シカゴの米国臨床腫瘍学会(ASCO 2010)にも行くことになっている。そちらは,現地での原稿の編集仕事(アンカー)だ。ASCOは一昨年(2008年)以来だが,今回はサンフランシスコに1週間いるので,時差ボケもなくなり万全の体調でのぞめると思っていたが(サンフランシスコとシカゴの時差は2時間),このままでは(日本との)時差ボケをひきづったままシカゴ入りしてしまうかもしれない。

AUAは2000年か2005年まで,医学新聞社の社員時代に6年連続で取材した学会で,個人的には最も好きな学会の1つだ。泌尿器科という分野の幅の広さもにも興味をひかれる。プレナリーセッションなど,タイトルだけを読むとどれも聞きたいと感じる(聞いてみると,よくわからいことも多い[ことの方が多い?]のだが,素人的にも泌尿器科全体の現在のトピックスがわかった気持ちなる)。

自分の仕事(ビジネス)的にも,AUAは取材が最もやりやすい学会(取材規制とか会場で写真を撮っていて怒られたことがほとんどない。また,発表ドクターからも,ノーと言われたことが皆無に近い)だった(私が続けて参加した6年間は)。

今回はたいした数の取材はしていないが,プレスルーム(昔在籍していた医学新聞社の編集長に頼んで,その会社の名前を借りてプレス登録した)は,数年前に比べると非常に質素になっていた。リーマンショック後の経済の悪さがAUAの財政にも影響を与えているのか?などといぶかしくおもった。

質素といえば,学会全体がそうかもしれない。今年からAbstract Book(抄録集)の印刷をやめたとのことで,配布物はプログラム(2センチくらの厚さ)のみ。1日つかったらよれよれになる原価5円くらいじゃいかと思うほどショボイ布のバックに,そのMeeting Programと,多少の配布物が入っているだけ。アブストラクトはネット見て,必要なものだけ自分でプリントするか,会場においてあるパソコン,プリンターからプリントせよとのことらしい。ドクターからの反応どうなのだろうか。確かに,電話帳のようなAbstract Bookは重いが,聞こうと思う演題の内容を確認したい場合,プログラムのタイトルだけはものたりないのではないか。パソコンを常に持ち歩いている先生なら会場で確認するのだろうが(私は今回,会場にはパソコンを持っていっていないのでわからないが,無線LANを施設してあれば,Webにアクセスできるので抄録は読める),すべての先生がパソコンを持ち歩いているわけではない。もっとも,そのために会場の数箇所に“パソコンコーナー”があるが....。

展示会場でも,お土産(景品)類の配布が少ないように感じる。そういえば,製薬メーカー主催のメシつきのセミナー(モーニング,ランチョン,イーブニング)のチラシや宣伝がほとんどない気がする。これも経済の影響なのだろうか。それとも,利益相反(conficts of interet;COIs)に対する規制が厳しくなったからだろうか。もっとも,COIというのはドクターが製薬メーカーの株を持っていたり,企業のコンサルタントになっていたり,研究費を得ている場合のことで,ブースでの景品や食事提供などのきまりはcode ethicsの問題ということになるのだろう。最近,アメリカではこれも厳しくなっているようだ。

さあ,これからPlenary Session IVを聞きに行こう(アカン,もうすでに眠い)。

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