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2010年10月20日 (水)

学会取材-米国骨代謝学会(ASBMR 2010)- ②

今回,ASBMRの専門医で構成されるタスクフォース(作業委員会)が,atypical femur fractures(非定型的大腿骨転子下骨折)に関する勧告(recommendations)を発表した。

この骨折について,わたしは全然知らなかったが,なんでも,今年の3月頃からFDAが注意勧告を出し,骨代謝業界(?)ではちょっとした話題になっていたようだ。

ビスホスフォネートを長期(5年以上)服用すると,非定型的大腿骨転子下骨折という,まれな骨折の頻度が高まるということらしい。もっとも,もともと非常に頻度の低い骨折なので,ビスホスホネート服用で得られる利益(ベネフィット)と非定型的大腿骨転子下骨折のリスクとのリスク・ベネフィット比の問題で,一般的には,骨折リスクの高い高齢者には,ビスホスホネートによる骨折リスク予防のベネフィットのほうが大きいということらしい。

プレスリリースに載っていたタスクフォース勧告の重要ポイントを書いておく。

1)ビスホスホネート治療を受ける患者には,非定型的大腿骨転子下骨折の可能性があることを,専門家および患者に警告するために,製品のラベル表示(添付文書)を変更すべきである。また,同骨折の徴候や症例をFDAのMedWatch programに報告する。

2) 非定型的大腿骨転子下骨折症例の症例報告のクオリティを改善し,医療記録のレビューを可能するため,同骨折に関する診断や手順に関する基準(codes)を新たに作成すべきである。

3) 症例を追跡し,今後の研究を推進するために,非定型的大腿骨転子下骨折患者の国際的な登録(registry)を確立すべきである。

今回のタスクフォースのレビューによると,これまでに把握された310例の非定型的大腿骨転子下骨折症例のうち94%(291)例が,ビスホスホネートを5年以上服用していたそうだ。

ただ,非定型的大腿骨転子下骨折という骨折は,すべての種類の大腿骨骨折のうちの1%未満でしかない非常にめずらしい骨折である。

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