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2011年11月 8日 (火)

学会取材-第49回 日本癌治療学会学術集会;NCCNガイドラインシンポで再び感じた疑問―「そんなのわかってたことではないの?」

最近取材した学会で感じた「素人の疑問」を4学会分書こうと思って始めてみたが,すでにやる気が失せてきた(∞≧◇≦) (←これ,「テヘ」を意味する絵文字だそうです)。

10月下旬に名古屋であった日本癌治療学会(JSCO)。今年もたいへんな賑わいだった。わたしは2つのセッションに入って短い原稿を書いただけで,昨年と違って,仕事と関係のない発表を聞くこともしなかったのであまり書くことはないのだが(じゃあ,書くなよ,と一人つっこみを入れる)。

Asian Session 2のNCCNガイドラインのシンポは仕事の必要上,聞いた。NCCNとは,National Comprehensive Cancer Networkの略で,米国の癌診療で一流とされている21だか22の施設(大学の附属病院とか,○○癌センター,など)で構成されるNPO組織だ。

NCCNガイドラインという言葉くらいは知っていたが,そのガイドラインの特徴などは,正直,今回の仕事をするまであまり知らなかった。NCCNガイドラインは,米国臨床腫瘍学会(ASCO)や欧州のガイドラインや声明(ステートメント)(乳癌であれば,ザンクトガレンのような)と並び称される権威のあるガイドラインで,アジア諸国もそのガイドラインを自国に取り入れようとしているらしい。

ただ,言葉の問題(英語でそのまま使用しない場合,当然,翻訳作業が必要になる[←俺にも翻訳の仕事こないかなあ。やりまっせ])や,医療システムの違い(保険適応の違い)などがあるので,そのままでは使えない部分もある。まあ,そういったことをディスカッションしようというセッションだった。

お世辞にも「大盛況」とは言い難いセッションではあったが,NCCNガイドラインの特徴として,改訂が頻繁に行われることが挙げられる(領域にもよるが,年に2回はめずらしくなく,3回以上の場合もあるそうだ)。そのようなことが可能な理由の1つが,エビデンスを重視しながらも,最終的には専門家の意見が重要視され,それによって,推奨のカテゴリーが変わる,という改訂プロセスの特徴にあるようだ。

なんだか,だらだらと書いてきたが,ここで素人の疑問が湧いてきた。EBMでは,試験や研究(その種類にもRTCから観察研究まで,いろいろランクづけがある)に裏付けられない,専門家の意見,というのは最もエビデンスレベルの低いものに位置づけられているのではなかっただろうか。

このセッションの冒頭でも,そのようなNCCNガイドラインの特徴の説明があり,それが,NCCNガイドラインの強みの1つ(?)として紹介されていた記憶がある。座長の1人だった西条先生も「重要なポイント。例えば,肺癌領域の○○○などという試験は全く評価できない試験なのに,試験デザイン上はレベルの高いエビデンスとされている」というような内容のコメントをされていた。

しかしなあ。EBMが始まる最初から,そういう問題(試験デザインのみに依存したエビデンスレベルの決定に伴う弊害)は予想されていたのではないだろうか。

「俺が権威だ」,「俺にまかせておけ」というようなドクターばかりでも困るが,逆になんでもかんでもエビデンスレベルや推奨グレードばかりでは,医療の職人(ART)の部分(これは,やはり経験の裏打ちが必要だろう。EBM的なエビデンスにはならないかもしれないが)がおろそかになるのではないだろうか,と以前から抱いていた疑問を改めて感じた。

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