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2012年5月21日 (月)

学会取材-第55回 日本糖尿病学会-①

17~19日まで,パシフィコ横浜で開かれた日本糖尿病学会を取材した。速報取材だったので20日までかかった。今日は朝から事務所に出て“通常業務”のつもりでいたが,疲れが溜まっていてまったく仕事が手につかない。

From Debate to Consensusセッション5「適正な食事中の糖質量は?」は,大盛況だったようだ。わたしは仕事で同時間帯のほかのセッションを聞かなければいけなかったので残念だった。

運動療法ガイドライン作成へ向けて,というテーマのセッション(これもFrom Debate to Consensusだったと思う)は聞いた。運動療法が糖尿病の予防・治療に良いとするエビデンスはすでに十分あり,運動の種類(有酸素運動,レジスタンス[筋肉]運動),運動量や運動強度,と効果(インスリン抵抗性改善だとか,血糖値低下だとか)に関してもさまざまなエビデンスが出てきているようだ。

しかし,実臨床での課題は,結局のところ,だれが,どのように実践していくか,ということだと思う。会場には理学療法士や運動指導士,その他,運動療法を日々やっている医療従事者の先生がたも多く,質疑応答ではそういう人からの発言が多かったが,そういう先生がたの質問は,荒っぽく要約すれば「自分たちの活躍範囲をいかに広くするか」という角度からの質問や(ガイドライン内容への)期待表明であった。

一方,これは座長の河盛先生1人が“反論”していた印象を抱いたが,誰に対して行うのか,本当に行うことができるのか,という議論が少なかったような気がする。たしかに,高齢になって足腰が弱くなっている人(そういう人では,骨粗鬆症などの合併も当然あるだろうし)に,「いまさら」運動療法,といってもなんか現実的でないだろうことは素人でも直感的にわかる。

もちろん,高齢者といっても身体機能に幅があるだろうから,60~70歳のおじいちゃん,おばあちゃんに運動療法は現実的でないと言いきってしまうのも,それこそ”現実的でない”とは思うが。

From Debate to Consensus,というセッションのわりには,Debateもなく,Consensusもない,どうも議論がかみ合っていないような印象のセッションだった。

ただし,2番目の講演では,委員会での議論を踏まえた,現時点でのコンセンサスが紹介されたのだが,それはコンセンサス,というより,有力なエビデンスの紹介,という感じであり,すでに決まっていること(反論余地なし)という印象であった。

学会の短いセッション(タイトルがディベートセッションであれ,コンセンサスセッションであれ)でかみ合った議論を実現させるためには,やはり,テーマをもっと絞って,しかも,エビデンスに基づいた議論をさせるのか(通常,学会で行われるディベートセッションはこういうものが多い),あるいは,価値観,を議論するセッションにするのか,はたまた,方法論(何かを実現させるためのハウツーを議論)について議論するのか,そのあたりを前もって決めて,座長もオーディエンスも共通認識を持ってやらないと,どうも,不完全燃焼感,不全感,不満感,の残るセッションになるのではないだろうか。

欧米の学会でのDebateセッションのなかには,最初からエンターテイメント,をめざしていると思われるようなものもあり,彼ら(西洋人)はそれが得意なのだが。。。。

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