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2014年7月 6日 (日)

学会取材-国際神経精神薬理学会(CINP)と日本精神神経学会

順番が逆になってしまったが,先週取材したCINPと日本精神神経学会のことを少し書いておこう。といっても,もう1週間経っているので記憶は薄れている。精神神経は最終日の28日の午後だけだったのであまり全体的な感想はないのだが,CINPについてはそもそも現地(バンクーバー)にいるときに何も書かなかったのだから今さら何か書く必要もないのだが。。。

CINPを取材するのは今回が初めてだった。バンクーバーも初めてで,街の中心部は縦横の道路で区切られたわかり易い造り。コンベンションセンターはウォーターフロントにあり,トロントのそれと似ていた。きれいと言えばきれいな街だが,住むには退屈かもしれない。Irish Pubをはじめとするバー(飲み屋)が街の中心(Granville通り)にはたくさんあり,レストランや食べ物屋も多数あり,居心地は悪くなかった。

学会は6/23~25の3日間のみ出席し,26日にバンクーバーを出発。27日の夜,羽田について28日に横浜の精神神経を覗いた。

CINPで仕事と関連しないセッションとしては,“DSM-5:Death of Neuropsychopharmcology”というのを聞いた。プログラムではDebateとなっていたように記憶しているが,実際は座長1人,演者1人のシンポジウムで,講演後の質疑応答に結構長い時間を取っていた。手元にプログラムがないので座長や演者の名前も書けないが,オーストラリア人の座長は「自分は座長を引き受けたが,タイトルは聞いていなかったので,見た時はびっくりした」というような言葉から冒頭の挨拶を始め,米国精神医学会(APA)の発展とそれと反比例するかのように減少し続けるCINPの出席者数について説明していた。CINPの登録者数のピークは数年前のフランスかどこかで開かれたときで,約6000千人だったらしい。ところが,今年のCINPの事前登録数はわずか1500人。この学会は日本人の出席者が結構多いのだが,全体がそんな感じなので日本人が多い印象を受けた。

講演のほうは,DSMが出来た背景や特にDSM-IIIからの内容の変化,問題点などを解説した内容で,わかりやすい発表であった(ような印象が残っている)。過剰なmedicalization(通常の精神反応まで“病気”にしてしまう)の批判の部分など,正直,知っていることばかりだったので目新しさは感じなかったが。。

DSM-III,DSM-IV,DSM-5と進むにつれて,新しく作られた障害やなくなった障害,統合された障害もあるが,そもそも,DSMがつくられた動機の1つである精神障害の診断の信頼性(reliability)がDSM-5でむしろ低下(特に,大うつ病性障害[= うつ病]や双極性障害など)した点(発表前のフィールド試験の結果)などもすでに指摘されきた点だが,米国立精神保健研究所(NIMH)が研究用としてDSMを使用しないことを発表したことなど,DSMの役割は今後変わっていくだろう,という懸念というか予想をみな,共有しているような感じだった。

質疑応答は結構長時間あり,そちらの方がおもしろかったが,細かいことは忘れてしまった(本当は覚えている部分もあるが,もう書くのが面倒になってきた)。

精神神経学会では,28日のお昼からあった北山修の教育講演を少し聞いてみたが,少し遅れて会場に行ったら,すでに立ち見がいっぱいの盛況ぶり。決して狭い会場ではなかったが,さすが元芸能人(!)の著名精神分析医の先生。集客力は抜群で,話も時々笑いをとって上手であった。とはいっても,内容はまあ「あたりまえなことばっかり」という気がしないでもなかったが。。。。

精神分析で無意識に抑圧されている葛藤が行動に現れることを“Acting out(行動化)”というが,これはドイツ語から英語への翻訳で,もともとのドイツ語(忘れた)のニュアンスと違って,否定的なニュアンスで広まり,それがその後の精神分析(の発展)にマイナスの影響を与えたそうだ。最近では,“Acting in”とか,“Enactment”という言葉が使われるらしい。患者と治療者の関係を芝居の役者(出演者)同士の関係と捉え,acting outあるいはacting inは患者からのメッセージ(セリフ)であるので,治療者はそれに適切なセリフでもって応えることが必要で,そういうやりとり,関係(性)のなかで患者の無意識に閉じ込められた葛藤が開放され,治療につながっていく。とまあ,こんな感じだったかな。最後までいなかったので終わりの講演の終わりのほうがどういう締めくくりだったのかは聞いていない。

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