最近のトラックバック

« 2016年5月 | トップページ | 2016年7月 »

2016年6月

2016年6月18日 (土)

こういう記事は嫌いだ―東洋経済ONLINE 「才能ない」生意気な子供でも天職は見つかる

東洋経済ONLINEに、

「才能ない」生意気な子供でも天職は見つかる 数学者・秋山仁氏が説く努力の尊さと儚さ

 という記事がアップされている。やらなきゃいけない翻訳仕事があるのに、こんな記事にかみついてブログなんぞ書いている場合じゃないんだが、仕事のヤル気がでないため、ついついラクなブログ書きに流されてしまう。

ただ、こういう「才能がなくても努力を続ければ」とか、「能力がなくてもやる気があれば」とか、「成績はよくなかったが好きだったから続けられた」、のような陳腐な言説はもういいかげん、卒業したほうがいいんじゃないだろうか。

なにが陳腐か。このような言葉は、結局、わたしは成功しました。わたしには能力がありました。と言っているに過ぎないからだ。

<別に成績が良かったわけでもなかったけど、他の教科と比べて、算数や数学だけは好きだった(秋山)>って、これ才能あるってことですよ。本当にできない子はまったく好きになれません。

もちろん、記事のなかにも<例えば、中学校の算数がとても出来ない子どもがクラスで1、2番になるためにはどうしたらいいか。3〜4カ月ほど毎日3時間の勉強を続ければ、成績がビリの子どもでも1番になれると僕は強く確信しています(秋山)>という発言があり(←でも、これ、あたりまえのことですよ。秋山センセイじゃなくても、アサカシキオでもそう確信します)、そのあと続けて、

<ただ、ビリの子どもが数学をそこまで熱心に勉強できるかというと、難しいじゃないですか。本当に成績を上げたければ、数学を習得したければ、努力を続けられるんです。でも、その動機がない。じゃあ、動機はどうしたら生まれるのかというと、ここからが親御さんの腕の見せどころです(秋山)>(←親の役割が重要、という点については、アサカシキオも同感です)、という動機づけ、つまり、どうやったら<ヤル気>がでるかについて、いよいよ素晴らしいアドバイスがあるのかと思っていると、

<教育の原則は「褒めること」と「しかること」なんです。それを適切に行っていくと、子どもは非常に伸びる(秋山)>(←なんじゃこりゃ?こんな手垢のついたアドバイスを聞いて、子どもの<ヤル気>を伸ばせる親がいるのだろうか)。

たしかに、自分の子どもや生徒に「褒めること」と「しかること」を使い分けて、子どもを奮起させ、成績も上げている親(教師でもいいが)はいるだろう。ただ、その周りには、褒めて/叱って伸ばす、といったような抽象的な言葉だけでは何の足しにもならない、できない子、もおおぜいいるのだ。

東洋経済ONLINEのこの記事についたコメントも5つほど読んだが、どれも、秋山先生の言っていることに賛成、私も才能なかったが頑張って続けていたらなんとかものになった、など、自分はうまく行った、といったような成功者のコメントだけだった。

自分がなぜこういった言説に反発を感じるのかと考えてみると、こういうことを、さも意味のある助言でもあるかのように何のためらいもなく、言ったり書いたり発表する人は、「やりたいけどどうしてもできない」、「そもそもヤル気がしない」、「わかっちゃいるけどやめられない」、といった人間が存在することを畢竟理解できない人たちという気がするからだ。

2016年6月15日 (水)

学会取材-米国糖尿病学会(ADA)2016 - 新製品発表会かと感じた<LEADER試験>のシンポ。なんだかなあ。。。

14日17:30ニューオリンズ発のUA便に乗り、今、ロサンゼルスのUAラウンジにいる。午前1:20発のANA便で、16日の午前5時に羽田着予定。3日かかりの帰国だ。ビジネスラウンジに入れるからいいとは言うものの、乗り継ぎ時間が7時間半とは、なんだかなあ。。。

Img_9036_2


今回のADAの仕事はイレギュラーな仕事で、終わってみればちょっと拍子抜けだったが、今年の目玉ともいえるLEADER(international  Liraglutide Effect and Action in Diabetes: Evaluation of Cardiovascular Outcome Results—A Long Term Evaluation)試験の発表シンポジウムについて感想を少しだけ書いておく。

自分の仕事もこのシンポジウムを聞くことだったのだが(ただし、私の仕事のスポンサー企業はリラグルチドのライバル会社)、まずは発表の場の雰囲気に違和感を感じた。LEADER試験がGLP-1受容体作動薬のなかで、はじめてMACE(major adverse cardiovascular event)をプラセボ群と比較して有意に抑制した、ということはすでにこの薬のメーカー(ノボノルディスク社)からプレスリリースとして出されていたので、今回はその正式発表ということになる。実際、シンポジウム終了直後にデータのembargoは解禁され、論文もNew England Journal of Medicineに発表された。

発表シンポジウムは最も広いF会場で行われ、1時間以上前から入場を待つ人が集まっているのに、開始の30分弱前まで入口を開けない。そこでまず、わたしはイヤな作為(操作)を感じた。ほかのシンポジウムなどではもっと早い時間でもドアは開けていたし、会場はバカでかいので早く開けて中に入れたほうが廊下の人だかり・混雑を緩和できるのに、まるでわざと混雑・人だかりを作って、写真の被写体を作っているようだった。

開場後も、これからまるでiPhoneかなにかの新製品発表会でも始まるのか、というような一種異様な雰囲気で、聴衆の少なからずが興奮ぎみだった。開始までに流される音楽も医学の学会の発表前の音楽としては場違いな感じがした。

そして発表が始まると(9つのプレゼンテーション。そのうち、Discussantとして最後に発表した人以外は、LEADER試験の試験委員)、演者がいいデータに触れるたびに、明らかに、「さくら」 と思しき人たちが一斉に拍手をし、それにつられて聴衆の多くも拍手する、といった具合で、完全にお祭り騒ぎ。

糖尿病治療においては、血糖コントロールで細小血管障害は防げるが、大血管障害の予防についてはエビデンスがないというのは、わたしがこの仕事を始めたころから言われていたことで、唯一、UKPDSが厳格コントロールで大血管障害も予防できるということを、長期のフォローアップで「証明」しているだけだった。

それが、昨年、SGLT2阻害薬のエンパグリフロジンで、MACE(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の3ポイント)を有意に抑制できることが報告され(EMPA-REG試験)、話題になった。

LEADERはそれに続くCVアウトカム(同じく3ポイントMACE)抑制のエビデンスで、GLP-1受容体作動薬としては初のエビデンスなので、話題になるのも力を入れるのもわからないではないが、あの発表の場の雰囲気は、なんだかなあ。。。

ま、素人が医学的な内容についてコメントするのはやめておくが、試験で発表されたこのスライドを見ると、

Number_needed_to_treat_to_prevent_o


1人を心血管死から救うには、104人を3年間治療する必要がある。これをリラグルチド(ビクトーザ®)の日本の薬価で計算すると(処方量を日本の1日最大の0.9mgとして。LEADER試験では平均1.7mgくらい使われていたらしい)、わたしの計算が間違っていなければ5500万円くらいになる。糖尿病による心血管死を1人救うのに5500万円かかる治療が、統計学的に有意な治療であっても、はたして臨床的に(あるいは、医療経済的に)意義あるものと言えるのかどうか。。。。。

なんだかなあ。。。

今回のADAでは、ほかにも、なんだかなあ。。。と感じること(学会運営の仕方に関して)があったが、もうそろそろゲートに向かったほうがよさそうなのでこのあたりでキーボードを置くことにする。

2016年6月 7日 (火)

学会取材-米国臨床腫瘍学会(ASCO 2016) 証拠写真だけ。。。

6月3日からのシカゴ仕事も終わり。あと40分ほどでホテルをチェックアウトする。疲れた。。。。証拠写真だけ貼っておこう。

Img_8561_2

3年ぶりのASCOだったが、そのときは、シカゴ滞在中に母親死去の連絡が来た。しかも、到着してわかったが、滞在ホテルはそのときと同じホテル。ちょっとイヤな予感がしたが、仕事に関しては大きな失敗はなかった。心が折れそうな作業が多かったが。。。。(自分の心をゴムにして、感受性を殺した)。なんかよくわからんな。。。。。

やはり免疫チェックポイント阻害薬が一番の話題か。里見清一氏の「医学の勝利が国家を滅ぼす」を昨年読んだので、nivolmab(オブジーボ)のことは少し関心があったが、それ以外にも-mabい薬の発表が多数あり、頭がくらくらしそうだった。

ただ、まだ第II相の試験が多く、「この成績なら第III相に進んでもいいよね?」的な発表が目についた気がする(本当にpromisingな結果ならまだしも、素人目にみても、全然だめじゃないの?というようなものでも、なんやかやと理屈をつけて、第III相に進むrationaleは整った、なんて結論づけている(多いのは、「有害事象に関してはすでに報告されているものと変わりはない」というもの)。

シカゴ入国の際、入国審査を自分でする機械みたいなのがあって新鮮だった(スーパーのセルフレジみたいなものか)。ただ、わたしは新しいパスポートでESTAも更新したばかりなので、first time visitor扱いで長い列にならばなければならなかった。今週の土曜日、また、ダラス経由でニューオリンズに行くので、そのときはあの機械を使うことになるのだろうか。スーパーのセルフレジは苦手で、あってもわたしは必ず人がいるレジに並ぶので、うまく操作できないかもしれない。

今回の初体験をもう1つ。わたしは大手3社でない、MVNOのSIMフリースマホを使っているので海外では音声通話やSMSができない。プリペイドのSIMを購入してはめ込めばできるのは知っているが(いつかは使うかもしれないが)面倒なので、今回はポケットWi-Fiを初めてレンタルした。ホテルやASCO会場ではWi-Fiが使えることはわかっていたが、ASCO会場はともかく、ホテルの無料Wi-Fiなどは不安定なことも多いし、街を歩いているときに、家族からの緊急連絡をとれるようにしておきたかったからだ。使いかってはすごぶるよいが、自分の使い方だと、安いとはいえ(1日700円程度)なくてもいいかな、という気もした。

2016年6月 2日 (木)

Windows 10、使いにくいじゃないか!海外出張前でドタバタなのに。。。

明日から米国臨床腫瘍学会(ASCO)の仕事でシカゴに行き、8日に帰国。11日に米国糖尿病学会(ADA)の仕事でニューオリンズに行く予定。両方とも学会取材だが、2~3年前まで結構あった、学会速報の仕事などとは様子がずいぶん異なる。細かいことは書かないが、「厳しい業界事情」は、少なくともわたしにとってはまったく変わっていない。

海外学会の仕事は昨年のCINP(ダブリン)以来、ほぼ1年ぶりなので、ラップトップを久しぶりに開いたら、WINDOWS 10への更新が7月で終わります!という押しつけがましい警告が何度もでるので、8.1が入っている2台のうちメインに使用する最も新しい1台を、WIN 10にアップグレードしてみた。

更新、インストールはスムーズに行ったが、いざ使うと使いにくい!WIN 10はWIN8や8.1と比べるとずいぶんよくなった、という意見も時々見聞きしていたので期待していた(というか、バージョンアップに伴うあたふたは経験しないだろうと思っていた)のだが、あにはからんや。とりあえず、仕事には影響ない範囲で使えるようにと少し“練習”してみたが、どうも気にいらない。確かに、WIN 8、8.1よりはマシかもしれないが。。。

明日は朝5時台のバスで成田へ向かう。シカゴは直行便(ANA)なのでその点は気が楽なのだが、満席なので窓側でも通路側でもない、両側人に囲まれた中間席になってしまった。機内で酒は飲まないようにしないと、頻尿の自分は苦労することになる。

話変わって、消費税の10%への引き上げが、再延期になった。いろんな人が好き勝手なことを言っているが、わたしは(ど素人ながら)日本の財政は破綻に向かっているとしか思えないので、前回、延期話が出ていたときでも、10%へ上げるべきと思っていたし、ツイッターなどではそうつぶやいた。もちろん、仕事が不調で少しの金額でも節約したい現状の今の自分にとっては、8%のママのほうが楽だが、このつけはいずれ大きくわれわれに跳ね返ってくるだろう。2019年になれば、どうせまた、再再延期になるに決まっている。

さて、荷造りをしよう。しばらく、子どもに会えないので、今夜は豪華外食(回り寿司)だあ(~_~;)。

« 2016年5月 | トップページ | 2016年7月 »