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2016年9月

2016年9月28日 (水)

<3人の遺伝子持つ子供誕生 米医師が成功> っていう日経新聞の記事に茶々を入れたくなった - 営業再開記念ブログエントリー(笑)

9月25日(日)まで10日間、臨時休業していましたが、月曜日(9月26日)から営業を再開しました。お仕事の依頼、お待ちしています。

なんて、本当はいろんなことにヤル気を失ったので休養していただけである。開店休業状態は今週も、あまり変わらない。ツイッタ―で遊んでいたら、この記事が目にとまったので、そのソースらしいニュースリリースを探してみた。

3人の遺伝子持つ子供誕生 米医師ら  生命倫理巡り議論も

以下、記事をコピペ。

<引用開始> 【ワシントン=川合智之】英科学誌ニュー・サイエンティストによると、米ニューヨークの不妊治療病院の医師らが、3人の遺伝子を持つ子供を誕生させることに成功していたことが明らかになった。子供の誕生を目的としない同様の研究計画は検討されていたが、実際に子供が生まれたのは初めてとみられる。生命倫理などを巡って議論を呼びそうだ。

 担当したのはニューホープ不妊治療センターのジョン・ザン医師ら。遺伝性の疾患を持つ母親の卵子の核を別の女性の卵子に移植し、父親の精子と受精させた。

 両親はヨルダン人で、4月に男児が誕生した。男児の健康状態は良好という。米国では治療が認められていない手法のため、規制が未整備というメキシコで治療を実施し、出産した。

 男児は母親と父親、卵子提供者の3人の遺伝子を受け継いだ。母親には「リー症候群」という遺伝する神経系障害があり、これまでに流産をくり返していたほか、出産した2人の子供を亡くしていたという。同様の疾患を持つ親にとって朗報となる可能性がある。

 米生殖医学会のオーウェン・デービス会長は27日、「生殖医学にとって重要な進展だ」とする声明を発表した。ザン医師は10月に米ユタ州で開く同学会の会合で治療の詳細を発表する。

 一方で、こうした技術は子供に希望通りの外見や能力を持たせる「デザイナーベビー」に応用される恐れもある。同様の治療を生命倫理上認めてよいのか、子供の親は誰なのかといった社会制度面の課題が今後出てきそうだ。<引用終わり>

この記事を読んで、私がまずひっかっかったのは、<3人の遺伝子を持つ子供を誕生させることに成功していたこと>という部分。不妊治療をしても、女性が高齢の場合、卵子が老化しているので、なかなか受精、妊娠に至りにくい。そこで、卵子を若返られせる方法として、若いドナーから細胞質(卵子のなかの、核以外の部分)を得て、その細胞質をレシピエント(高齢の不妊治療女性)の卵子の中に入れる、ということは、<卵子の若返り法>としてすでに10年以上前から行われており(もっと前かも)、その結果、細胞質に含まれるミトコンドリア遺伝子がドナーのものとなり、ドナーのミトコンドリア遺伝子、レシピエントの核(核の中に遺伝子=DNAがある)、夫の遺伝子の<3人の>遺伝を持つ子供が生まれた、という報告はずっと前にすでにある(ここで、きちんと検索して文献なりニューズレターなりをリンク付けしたほうがいいのだろうが、面倒なのでパスします)。

(ちょっと検索すればそういった内容のニュースはいくつもヒットします。例えばこれ。)

今回の記事を読んで、結局、同じことだろう、と思った。で、日経のこの記事の出所はこれだと思われるが、やはりミトコンドリア遺伝子だった。もっとも今回は、患者(レシピエント)がミトコンドリアDNA突然変異(リー(Leigh)症候群なので、目的は<卵子の若返り>ではない。患者の核遺伝子(本来の遺伝情報を保存している)を受精後、紡錘体(spindle)という段階になった段階で、取り出して、ドナーの卵子の核遺伝子と交換した。これは、紡錘体置換法(Spindle nuclear transfer )という方法らしいが、その結果、ドナーの細胞質(ミトコンドリア遺伝子は細胞質の中にある)、患者の核遺伝子、患者の夫の遺伝子)を持つ赤ちゃんが生まれた、というだけのこと。

それよりも私が面白いとおもったのは、元の英語記事の

[Quote] Zhang has been working on a way to avoid mitochondrial disease using a so-called “three-parent” technique. In theory, there are a few ways of doing this. The method approved in the UK is called pronuclear transfer and involves fertilising both the mother’s egg and a donor egg with the father’s sperm. Before the fertilised eggs start dividing into early-stage embryos, each nucleus is removed. The nucleus from the donor’s fertilised egg is discarded and replaced by that from the mother’s fertilised egg.

But this technique wasn’t appropriate for the couple – as Muslims, they were opposed to the destruction of two embryos. So Zhang took a different approach, called spindle nuclear transfer. He removed the nucleus from one of the mother’s eggs and inserted it into a donor egg that had had its own nucleus removed. The resulting egg – with nuclear DNA from the mother and mitochondrial DNA from a donor – was then fertilised with the father’s sperm. [Unquote]

下線部の部分だ。その前の部分で説明されている方法では、レシピエント、ドナーのいずれの卵子をもレシピエントの夫の精子で受精させ、分割早期の胚(embryo)から1つずつをとって、ミトコンドリア遺伝子を入れ替える。何分割の段階でこれを行うのかはわからないが(記事では、early-stage embryosとなっているだけ)、8分割とか16分割あるいはそれ以上だから、2個以上のembryoを破壊・処分することになる。

しかし、イスラム教徒(Muslim)は、2つのembryoを破壊することに反対の立場なので(as Muslims, they were opposed to the destruction of two embryos)、今回のSpindle nuclear transfer という方法が採用されたとのこと。インスラム教徒の間ではほんとうにそんな決まりがあるのだろうか。

いずれにしても、3人の親の遺伝子、なんていうと3人の核遺伝子を共有しているような印象を与えるが、核遺伝子は患者とその夫のものだけなので、日経の記事の最後にある、<一方で、こうした技術は子供に希望通りの外見や能力を持たせる「デザイナーベビー」に応用される恐れ>などとは全然関係ない。

そのあとの<同様の治療を生命倫理上認めてよいのか、子供の親は誰なのかといった社会制度面の課題>という部分は、確かに議論されるべき問題かもしれないが、これは代理母とか、卵子提供、精子提供、など、夫婦間の卵子と精子(と子宮)を使う一般的な不妊治療以外の方法でなされる不妊治療すべてに残る課題で、今回のニュースがもたらす注目点ではない。

2016年9月15日 (木)

10日間の臨時休業

思うところあって昨日から約10日間(9月25日まで)、休業することにした。

もっとも、最近は開店休業に近い状態が続いているから生活はあまり変わらない。

Tomioka_2

今さら夏休みのことを書いても仕方ないのだが少しだけ。

この夏休みは独立以来初めて、子どもたちを旅行に連れて行けなかった。唯一行ったのは日帰りの「群馬旅行」。世界遺産の富岡製紙場とその近くの自然史博物館(ここは数年前にも温泉旅行の帰りに寄ったことがある)、それと、こんにゃくパーク。富岡製紙場は、子どもよりも私の方が興味を持ってガイドの話を聞いた。

冬には初めてのスキー旅行に連れて行ってやりたいが(今年2月に計画し、宿も予約したが娘と私がインフルエンザに罹り断念)、このぶんだと無理かな。

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