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2018年10月 2日 (火)

ステージIV胃癌に対するコンバージョン療法(備忘録)

胃癌の座談会原稿の仕事が進まない。コンバージョン療法(conversion therapy)という言葉はもちろん知っていたが、ネオアジュバント化学療法(neo adjuvant chemotherapy ; NAC)とどう違うのか、どれほど厳密に使い分けられているのか、以前から疑問に思っていた。

頭の整理のためのメモ。

NAC : もともと手術適応の患者さん(基本的にはステージIIIまでの胃癌)に対して、手術の成功率を高めるために(病変の縮小などを目標に)行う術前化学療法。

サルベージ療法(salvage therapy): サルベージとは救済/救援の意味なので、(根治目的で)施行した放射線治療や化学療法の結果、残念ながら病変消失や縮小に至らなかったり、再発した場合に、palliative (緩和医療的に)(?)行う手術。

コンバージョン療法: 従来であれば根治手術(R0手術)不能とされてきた胃癌患者に対し、化学療法(胃癌の場合は、S1 + シスプラチン、S1 + タキサンなど)を施行し、画像検査などで病変(病巣)がR0手術可能となった場合に行う手術。

以上の理解でおおむね間違っていないと思う。わたしが疑問に思うのは、コンバージョン療法を検討した試験で、化学療法の後にR0手術ができた群と、R0手術可能とならなかった群に分けて、予後(OS、PFS、その他)を比較している検討が多いことだ。こういう比較は意味があるのだろうか?

常識的に考えて、コンバージョン療法の化学療法でR0手術可能になった患者さんは、R0手術が可能とならなかった患者さんに比べて予後がいいのはあたりまえじゃないだろうか。そういった患者群に手術をして、化学療法のみ(R0手術ができなかった)患者群と比較して、一体それはなんの効果を見ているのだろうか。

コンバージョン化学療法後、R0手術ができると判断してやってみたものの、結果的にR1やR2に終わったという患者さんとの予後を比較した検討というのもあるそうで、それもR0ができた群のほうがR1やR2より予後がよかった、という結果で、これも「よかったものはよかった。悪かったものは悪かった」と言っているにしか思えない。

そういったデータをレトロスペクティブに調べることで、R0手術に変更[コンバージョン]しやすい患者背景や因子を特定することに意味があるのは理解できるが、予後がよかった患者群について、コンバージョン療法(コンバージョン手術)の効果があった、みたいな結論を導いている報告などにはどうしても????が湧いてきてしまう。

もちろん、化学療法(レジメン)を比較し、コンバージョン手術移行割合(移行率)を比較するのは意味があるだろうし、そういう試験も実施(あるいは検討)されているのかもしれないけど。

以上、仕事の原稿が進まないので、時間つぶしに書いた備忘録。

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